Overflow
コブクロには失恋ソングがたくさんあります。
代表格は風、コアなファンに人気で隠れた名曲的存在のエピローグ、
アップテンポになればmemory、そしてまた恋をする等…
いやいやいやいや…
黒田さんが作ったOverflowもめちゃくちゃ良い失恋ソングやからね!!
(黒田さんの誕生日に開催され、黒田曲が勢揃いしたファンフェスタ2017でもスルーされてしまう、そんな不遇なOverflowの魅力を語りたいと思います。笑)
個人的に感じたOverflowの大きな魅力は
・エピローグと比べてみてもおもしろい、黒田さんが書いた女性目線のラブソング(たぶん)
・登場人物の感情を美しい情景に投影した綺麗な表現
だと思いました。
(あくまでも個人的な見方です…)
この曲中のエピソードは、出会った頃は仲睦まじい恋人同士だったけれども
いつしか片方の気持ちが冷めてしまい、別れに至る
というとてもシンプルな作りになっています。
このエピソードの中で、出来事を主観的に見る人は
・ぎこちない笑顔を向けられて涙を浮かべたり
・肩を抱き寄せられたり
・相手に身をゆだねたり
比較的受け身の立場になっているパターンが多いです。
(草食系男子とか流行ってる最近はそうでもないですけど)
こういうラブソングの中で
恋愛に対して受け身になったり、涙を流したりする登場人物は
女性であるパターンが多いので
たぶんこれは女性目線で作られてるんじゃないかなぁ
と個人的には考えてます。
(黒田さん昭和生まれだし、grapefruits2002年に発売されてるし。)
ここ近年性別に関する発言わりとマジで気ぃ使います←
Pierrotに出てくる付き合ってなくてもファミレスの陰でふいうちのキスしてくる人なら
多分泣いてるのは男の方だと思いますが(笑)
これが黒田さんによって作られた女性目線の失恋ソングだとすると
小渕さんが作った女性目線のエピローグと比べてみるとおもしろいですよねー
エピローグの中で小渕さんは失恋した悲しい感情をわりとくっきり書いていて、
曲の最後の部分では
来世で別の人生を歩んでも、また声をかけられたらあなたを好きになってしまう…
と、失恋した女性の感情をハッキリと描いて曲が終わっています。
それに対してOverflowは、曲の終わりに向かう2番のBメロから
曲の物語の中の情景にまつわる描写が続き
曲中の女性の気持ちを直接的に表す表現は一切ありません。
またその他の部分でも、感情の直接的な描写以上に
感情を情景に投影したり、感情を表す登場人物の動作が多く盛り込まれていたりする箇所が多く見受けられます。
情景への投影の例
・水に流され、同じ場所にたどり着いてくっつく木の葉を寄り添う恋人に例える
・心が離れていく様子を、風のままに水面を流れる舟に例える
(「船」じゃなくて「舟」だから、小さい舟が連想されて物語の舞台に合いますよね)
こういう風に同じテーマで曲を書いても
普段から自分の感情をストレートに出せる小渕さん
控えめだけど、芯の強さがある黒田さん
の差が出てるような気がして、とてもおもしろいなぁって思いました。
Overflow、夜中に聴いたらちょっと入り込んでグッと来るくらい良いので
ぜひ今一度聴いてみてください。笑
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